「大阪万博」開催 ― 安全に不安の声

修学旅行の行き先に岐阜県内でも広がる

4月に開催を控える「大阪万博」を修学旅行の行き先とする学校が、岐阜県内でも数校あります。保護者からは、昨年3月の爆発事故(溶接作業中に発生した火花が、配管ピット内に溜まった可燃性ガスに引火)のこともあり、「本当に大丈夫なのか」と不安の声が上がっています。万博会場となる夢洲は、もともとゴミや産業廃棄物の処分場で、かねてから可燃性ガスの発生問題が指摘されており、国会でもその危険性が取り上げられています。

 

爆発事故などを受け、大阪の3つの教職員組合が大阪府知事と大阪府教育委員会に対して、以下のような申し入れを行いました【「万博工事現場での爆発事故に関して、府・府教委として責任ある対応を求めます」(2024年4月18日)、「『万博への子ども招待事業』の中止を求めます」(同6月5日)】※右囲み参照。

 

また、大阪府が子どもたちを「無料招待」とする中で、吹田市や熊取町の小中学校などは不参加を決めています。理由は「会場までの移動が難しい」「児童・生徒の昼食場所や待機場所での熱中症対策、団体行動の動線や点呼・待機場所の確保が不十分」などです。

 

校外学習の実施など教育課程は各学校で編成されるものです。各学校で校外学習の教育的意義を検討する際には、子どもたちの健康や安全を守ることは大前提となります。だからこそ、教職員・保護者が十分に話し合い、その内容を決定するべきです。

 

今の学校現場の働き方は、教職員から子どもの様子を語り合う時間をも奪っています。各行事についても、意味のあることなのか、安全に行えるのかなど、じっくり話し合うことが必要ではないでしょうか。 


大阪3組合「申し入れ」の主な内容

  • 学校行事としての万博参加は、各学校が判断するものであることを学校現場に周知すること。
  • 事故についてきちんと調査し、安全・安心を確認し、学校現場に情報提供すること。
  • 熱中症対応などの安全対策や、行事実施途中に起こる不測の事態に対応する人の配置や現地窓口の設置など、安全・安心に行事が実施できるよう対策をとること。
  • バスの確保だけでなく、計画通り安心して行事が実施できるよう交通手段の確保を行うこと。