このままでは学校がもたない!文科省調査からも明らかに

勤務実態アンケートの実態から改善を!

子どもたちと向き合うゆとりと授業の準備時間の保障を

「教員の精神疾患」に関する文科省調査が公表されました(Aグラフ)。教員の精神疾患による病休者が年々増加し、その割合も増えています(病休者=病気休職者及び1か月以上の病気休暇取得者)。

 

若い世代に多くの負担が

B表のように、休職者は校種別で特別支援学校がもっとも割合が多く、50人に1人(約2%)いることになります。年代が低いほど休職者が多いのは、「経験が少ない」にも関わらず、多くの小・中学校で新任から担任を持ち、保護者にも対応しなくてはならない、さらに初めての分掌でも1人でやらなくてはならない場合も多く、最初から「一人前」であることを求められていることが考えられます。高校では1~2年目は「まず教科の勉強を」「いろいろな分掌を経験して」と、副担任になる場合が多いのですが、小中学校はフリーの教員がほぼいない状態です。「若さで何とかなる」ことには限界があります。

 

赴任して2年未満の発症が多い

問題なのは、初任または異動から1年以上2年未満が精神疾患となる事例が一番多いことです(Cグラフ)。多くの皆さんも経験していると思いますが、異動は大きなストレスです。異動の1年目はとにかく必死に勤務する。ところが、1年経つ頃には息切れをしてしまうのでしょうか。学校側も、異動1年目の方には過重な負担をかけないように配慮しますが、2年目から「もう慣れただろう」と責任ある仕事を任せてしまうことが多いと思います。

 

必要なのはお互いに支え合う同僚性

教員の精神疾患の一番の理由は、「児童・生徒の指導に関すること」です(D表)。子どもとの関わりがより密接となる特別支援学校や小学校で病休状態が多い理由も分かります。他の「校務分掌」や「地域住民・保護者との」などの負担も含め、長時間勤務につながっています。これらのことから、精神疾患を食い止めるためには、「初任・異動から1~2年目」の特に「20代・30代」の教員を、周りが支える体制が必要ではないでしょうか。小中学校でも「20代・30代」を副担任にするか、副担任をつけることが必要です。また、「職場の対人関係」が2番目に多いことも深刻な問題です。信頼しあい、相談できる同僚がいることが本来あるべき姿ではないでしょうか。学校現場の多忙化と長時間勤務によって、同僚性が失われ、職場がギスギスしたり、他の教員に目配り・支援ができない状況が常態化したりしていないでしょうか。

 

国や県に改善を訴えていこう!

 岐阜教組は教育予算を増額し、教職員を増やすことを国や県に求めています。それが、子どもたちと向き合う時間を保障し、ゆとりを持って授業の準備をすることができる働き方につながります。まずは、お互いを気遣い、楽しく勤務できる職場となるよう、一人ひとりが声を上げていきましょう。