ほんりゅう 2024年8月5日(奥村)

夏休みに入った。中1の娘は毎日家の米を炊くことを夏休みの課題にした。小4の息子は玄関掃除だ。さらに、ふたりとも自分の食べた食器は自分で洗うことにした。毎日自主的に、とは言えないが今のところやっている。なんでも親にやってもらっていてはいけない。多少のことは自分でできるようになってもらいたいものである▼「自立」。これはどのような状態のことを言うのか。自分で働いて収入を得て生活していけることだろうか。辞書には「他の助けや支配なしに自分一人の力だけで物事を行うこと」とある。必ずしも生活を自分で立てることとは言っていないが、自分の力だけで何かをすることが「自立」であるようだ▼熊谷晋一郎という医師を知った。自ら脳性麻痺を持ちながら小児科医として活躍し、現在は東京大学先端科学技術研究センターで障害と社会の関係について研究している。彼は「自立とは依存先を増やすことだ」と語っている。困ったときに力になってくれる環境や状態を作っておくことであると。言葉の主語は「障がい者」かもしれない。しかしこの言葉は私自身の腑に落ちた▼「自立」とは自分の力だけでは立てないとき、助けてもらえる人や場所をもっておくことなんだと。我が子には何でも自分でできるようなってもらいたいが、助けてくれる人もたくさん見つけてほしい。

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