ほんりゅう 2024年6月5日(堀部)

中学校に入学した時、初めての英語の授業が楽しみだった。最初の時間は自己紹介。ところが、次の授業から先生が病休となり、代わりの方が来るまで自習が続いた。自習はアルファベットを書くだけ。すぐに臨時の先生がやってきたが、授業は塾に通っている生徒を中心に進んで、全くついていけなくなった。ここでつまづいた私は、中学、高校、大学と、英語に対する苦手意識が残った▼海外旅行の列車の中で、外国人から「英語を話しますか」と尋ねられ、「ノー!」と答えたら、話しかけてこなくなった。分からないなりにコミュニケーションをとりたかったが、友人から「『ノー!』と言ったから話しかけてこないのよ。『少し』と言えば違ったかもね」と言われた▼教員になって、小学校で英語の授業が始まったとき「英語嫌いを作らない」と強く思った。言葉遊び的なゲーム感覚の授業は「楽しい。好き」と、子どもたちを笑顔にした▼高学年になると「書く」授業が始まる。指導要領には、大文字と小文字の習得とされているが、多くは「文を書く」授業を目にする。英語嫌いな子どもたちを作っているのではないだろうか。誰もが楽しいと思える授業であってほしいと願う。

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