岐阜教組第34回定期大会を開催しました(5/26)

 岐阜教組は5月26日(日)に岐南町中央公民館にて第34回定期大会を行いました。若い組合員の発言も多く、職場や子どもたちの様子を交流することができました。おかしいと思ったことを職場で話題にして改善したり、ハラスメントに対して組合でとりんで解決をしたりと、この間の岐阜教組の活動に確信が深まりました。

 今年度の方針として、「集まろう 語ろう つながろう」をスローガンに、働きやすい職場づくりをしていくことを参加者で確認しました。大会では特別決議「私たちは、『教職員増と業務削減』を求めます」を採択しました。


特別決議

 

私たちは、「教員増と業務削減」を求めます

 

全国的な教員採用試験倍率の低下、若年教員の早期退職、教員の精神疾患による病休者数の高止まりが、年度当初からの「教職員未配置」など深刻な問題を引き起こしています。その最大の原因は「教職員の⾧時間過密労働」にあり、学校は「定額働かせ放題」の「ブラック職場」という認識は広く知れ渡っています。「このままでは学校がもたない」危機的な状況です。

 

文科省はこの状況を変えるため、中教審に「質の高い教師の確保」特別部会を設置しました。中教審は、5月13 日、提言を文科大臣に提出しましたが、その内容は全く不十分なものです。

 

提言には、「教職調整額の引き上げ」とあります。教職調整額は残業代ではありませんが、「4%から10%への引き上げ」は、教員の時間外労働の実態とはかけ離れたものです。この引き上げによって「定額働かせ放題」の状態が是認され、固定化される恐れもあります。これでは教員志願者が増えることは望めません。何より、現場の教員の願いは、「金ではなく負担減」です。

 

特に、教諭の上に「新たな職」を創設する提言は大きな問題です。「新たな職」の給与を教諭より上とするため、教諭の給与を引き下げることになれば、待遇改善とはいえません。また、「新たな職」に昇格する試験に人事評価が使われれば、今まで以上に上意下達が徹底されるだけでなく、教員間に競争や分裂をもたらし、教員がより追い込まれる可能性があります。

 

そもそも「このままでは学校がもたない」という危機的な状況は、政府・文科省によるさまざまな施策の失敗の結果です。学校現場には次々と新しい負担が課されてきましたが、そのための人員増はなされませんでした。財政上の理由で教員給与の国庫負担を減らしたため、正規教員が減らされ、いびつな年齢構成になるとともに臨時教員の比率が高まりました。教員の時間外勤務が増えたのは、そのような状況下でも、子どもたちのために教育の質を下げないように努力してきた教員たちの無償の努力のあらわれです。しかし、そのような善意に頼る方法では支えきれなくなっています。

 

中教審提言では、教員の持ち授業時数を減らすことや、各学校の教員数を算定する基礎定数の改善など、根本的な改善は見送られました。結局教員は救われないままです。

教員の置かれた危機的な状況は、教員が自ら働き方を変える「働き方改革」では達成できません。「働き方改革」は、文科省や教育委員会、管理職が責任を持っておこなうべきものです。その覚悟が見られない今回の提言では、問題が先送りにされただけです。

 

私たち岐阜教組は、現場の教職員の共通の願いである「教員を増やし」「業務を減らす」ことこそ今一番必要な施策であり、教員が救われ、教員志願者が増える方策であると確信しています。その実現ための活動を推進していきます。

 

今後とも、各職場で悩みを抱えながらともに働く教職員の声を聞き、仲間に加えながら、教員の勤務条件の改善をはかる活動を進めていく決意を持って、ここに特別決議をおこないます。

 

2024 年5 月26 日

岐阜県教職員組合 第34 回定期大会

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