県教委が「一年単位の変形労働時間制」の導入を検討している▼所定労働時間のイメージ図によると、４、10、11月に＋10時間、６月に＋８時間45分（合計38時間45分）を８月の夏休み５日間に振り替える。この制度を使えば、超過勤務している一年の残業時間から38時間45分が減ることになる▼この制度は時間数を減らすだけで、労働時間の原則「１日８時間、１週間40時間」を崩し、時間外労働が増えると危惧される▼利用するには「月42時間以内」「年３２０時間以内」の条件を満たす必要があるが可能だろうか。「休み時間に働いた分」を入れれば、ほとんどの者が「月42時間以内」は無理である▼北海道では２年前に制度を導入したが、数名しか利用していない。ほとんどの者が対象外になるというのだ▼「働き方改革のために制度を使わねばならない」と思う者は「月42時間以内」になるように頑張るかもしれない。今でさえ虚偽申告が横行しているのに、より問題が大きくなるのではないか▼県教委は「一人でも利用したいという者のために制度を準備する」と言うが、導入されれば、管理職に「一人ひとりに合わせた利用」を考えなければならない膨大な業務が待っている。
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