全教、特別支援学校、特別支援学級等における新型コロナウイルス感染症対策と学校再開にあたっての緊急要請書を文科省へ提出

緊急事態宣言の解除を受け、多くの学校が再開しているもと、全教は、特別支援学校、特別支援学級等における新型コロナウイルス感染症対策と学校再開にあたっての緊急要請書をとりまとめ、6月8日に文科省に提出しました。


2020年6月8日

文部科学大臣 萩生田光一様

全日本教職員組合(全教)

中央執行委員長 小畑雅子

 

特別支援学校、特別支援学級等における新型コロナウイルス感染症対策と学校再開にあたっての緊急要請書

 

 緊急事態宣言は解除され、全国の多くの学校が再開されています。

引き続き、新型コロナウイルス感染拡大への対策は重要であり、とりわけ基礎疾患を持つ児童生徒が多く在籍する特別支援学校や特別支援学級ではより一層の対策が必要です。各学校には、一人ひとりの子どもたちを受け止め、教育活動をすすめながら、感染拡大を防ぐために具体的な対策をとることが求められています。しかし、過大化・過密化が進む特別支援学校や特別支援学級において、必要な感染防止対策をとるには、多くの課題があります。

 学校再開にあたり、各自治体や学校まかせにするのでなく、国の責任でその実状を把握し、十分な予算措置をとり緊急に必要な対策をとることが求められます。

以上の観点から、特別支援学校、特別支援学級等における感染拡大を防止するため、必要な下記の条件整備を緊急に要請します。

 

 

1.少人数による授業を可能とするため、以下の事項を緊急に実施すること。

  • 特別教室が普通教室に転用され、空き教室のない特別支援学校が多いことを考慮し、教室の代替となる場所を早急に確保すること。また、現在すすめられている特別支援学校の総合化や寄宿舎の統廃合計画をいったん凍結し、再検討すること。
  • すべての特別支援学校と特別支援学級に必要な教員を加配すること。また、必要な介助員、支援員等を増員配置すること。
  • 子どもたちの指導にあたる教職員を確保するために、不要不急な出張や研修をおこなわないようすること。とりわけ、初任者研修の日数を減らすこと。
  • 「2020年度まで」としている特別支援学校教諭等免許状保有率100%の目標時期を延期すること。

 

2.各学校に必要な物品に加え、障害特性に応じた必要な物品(聴覚障害の児童生徒のための透明マスクやフェイスシールド等)の確保を確実におこなうこと。

 

3.養護教諭の増員をただちにおこなうこと。保健所や学校医等と連携し、保健室等での詳細な対応マニュアルを作成すること。医療的ケアを必要とする児童生徒のための看護師を配置・増員し、必要な物品を確保すること。

 

4.発熱等の感染が疑われる子どもたちが待機(隔離)する場所(発熱者対応テントを含む)や動線を確実に確保し、ゾーニングを確立すること。

 

5.スクールバス増車が可能となるよう国が責任をもって全額を補助し、合わせて人的配置をおこなうこと。

 

6.すべての教職員の検査体制を早期に確立し、定期的におこなうこと。とくに、養護教諭、看護師(看護教諭)、訪問教育担当教員などの検査を優先しておこなうこと。

以上