仕事に疲れて、たまに町を彷徨する。「こんな所に食堂があった」と驚かされたり、「狭い農地で何を作っているのかな」とのぞき込む事もある。わざと少し道に迷って、教会や保育園も発見した。空き地には老人ホームが出現した。老人の一人暮らしと思われる家も多数ある。遺産相続対策という謳い文句に乗せられたのか、新築と思われるアパートは空室だらけだ。また、見るからに築50年を超しているアパートは、鉄の階段が朽ちそうだ。隣の物音が筒抜けだと思われる長屋の住民の生活はどんなだろう。廃屋と見間違う家もある。草が茂る広い庭の屋敷や、伸び放題のバラの木が壁を覆っている家には事情がありそうだ。そう言えば、自分も親の介護をしていた頃は、誰も庭木の世話ができなかった。一方で、目を引くデザインの新築の屋敷は3軒分の敷地がある。駐車場は外車が並んでいる。この世界の矛盾を痛感する。▼人口減少、介護、非正規、格差から、原子力、基地、累積赤字・・・日本には課題が多すぎる。兵器をアメリカの言い値で買い、生活保護や年金を切り下げる。政権は、この国の根本にある課題に目を向けているのだろうか。30年後の岐阜の町はどうなるのだろう。50年後の日本の未来はどうなるのだろう。子どもたちに語れる「未来の希望」が感じられない。政権が今熱意を燃やすべき事は、「憲法改正」ではない気がしてならない。