「この国の息苦しさは一体何だろう」と時々思う。最近では紅白での桑田佳祐のパフォーマンスに対するバッシング、ISの人質への「自己責任論」。人質事件に関して言えば、安倍首相の発言や対応に疑問を唱えるだけで「足を引っ張るな」との論調が主流となり、ジャーナリズムも沈黙している。「炎上」に見られるように、自由にものが言えるはずのネット空間がむしろ不自由さを加速しているようにも見える▼集団に対する同調圧力がとても強い日本社会の分析や問題点はかねてより指摘されてきた。「長いものには巻かれろ」「空気を読め」その結果としてしばしば生まれるタブーや神話によってどれだけの多くの被害が出たことか…神風神話は戦争被害を、安全神話は原発事故をより深刻にした。バブル経済をあおった土地神話もあった▼北朝鮮やISのような批判が許されない体制は、この国のあるべき体制=民主主義から一番遠いものであるべきだ。その土台を作る私たち教育に携わる者は批判を恐れてはいけない。異なる意見を大切にし、耳をかたむけるべきである。あるいは、少数派・弱者であっても「まちがっているかも」と多数派・強者に対し言える先生となり、子どもたちにもそうなって欲しいと願いたい。それがもしかしたら「正しいこと」となるかもしれないのだから。皆さんの学校は自由にものが言えますか?